ピックアップトラックの歴史
ピックアップトラックの発祥
ピックアップトラックとは運転席の後部に平荷台をもつ車のことを言います。
この様な車がはじめて作られたのは、1913年アメリカ合衆国オハイオ州のガリヨン・グッドウィン・トラックボディ社においてT型フォードを改造して後部に荷台を作ったのが始まりと言われています。
その後、1924年にダッジが3/4トン積みのトラックを製造し、ピックアップと称したのがピックアップと言う名前の発祥と言われています。
1925年にはフォードが自社でピックアップの生産を開始ましました。
1931年にはシボレーも生産を開始し、現在に至っています。
アメリカでの普及
ピックアップトラックは農業などにおいて主に貨物輸送用に使用されていましたが、1950年代によりスタイリッシュなモデルを各社が生産し始めました。
貨物用としてだけでなく、個人ユーザーが使用する様になりました。個人ユーザーが使用を始めた原因として、スタイルだけでなく、利便性や自動車税の減免など、経済的にユーザーにメリットがあったことも人気が出る要因となったと考えられます。
その後、バック・トゥ・ザ・フューチャーで主人公『マーティー』の憧れの車として取り上げられるなど、ピックアップがステータスになってきました。
現在はフォード、GM、クライスラーのビック3をはじめ、トヨタ、日産、ホンダも北米マーケットで販売を行っています。

オセアニアでは別の名前で普及している
一方、オーストラリアやニューランドなどのオセアニアにおいては、ピックアップトラックはユート(ute)と呼ばれていますが、1924年にフォード・オーストラリアが生産を開始したのがユート(ピックアップ)の始まりです。
その後、1951年にホールデンが生産を開始しましたが、いずれも乗用車をベースに改造した車でした。
アメリカ同様、オセアニアにおいても、若者のファッションとして人気車となっただけでなく、警察・農場・建設業や軍隊等でも多くが利用されてきました。
アジア諸国では、タイが最大の生産国で、日本の各メーカーをはじめとした小型ピックアップが数多く生産されてきました。タイは現在では小型ピックアップの主要生産・輸出国になっています。
ヨーロッパでは一定の需要が有り、日系メーカーをはじめ、フォード・ヨーロッパ、VW、ルノー、メルセデス・ベンツなどが生産・販売を行っています。
日本では…
日本では、1940年代から1970年代にかけて1トン積みトラックを各メーカーが生産・販売し、商用車として数多く使用されていましたが、その後、スペース・ユーティリティーが高いキャブオーバー型トラックに需要が移り、現在では天候に影響されず、荷造りも容易なライトバンに人気が移っています。
2000年代以降、排気ガス規制、エコカー減税などの影響で、さらに需要が減り、国産ピックアップは全てのメーカーが生産を終了しました。
又、正規輸入されていた三菱トライトンが2011年夏、フォード・エクスプローラ・スマートトラックが2011年10月に販売を終了し、日本ではピックアップトラックの販売が終わりました。
しかし、その後、2014年にトヨタがランドクルーザー70を1年の期限付きで販売し、2017年9月からはハイラックスの販売を開始し、ハイラックスは購入顧客の60%程度が20代の若者で、ファッション性の高さやレジャーへの使い勝手が評価されたと思われます。